第39回山結びレポート(2026年9月19日)
猛暑で8月はお休みだったので2ヶ月ぶりの山結びを9月19日に開催しました。小雨の降る中、8名のご参加で、香川県から初参加の方もいらっしゃいました。最近は中腹部分の竹林エリアでの整備が多かったので、久しぶりに山頂部の手入れです。
登山道に入る前にふと目に入ったU字溝。左右にU字溝があり、右側の水が道を横切ったU字溝を抜けて、左側のU字溝に合流しています。
これを見て「私たちの街もこんな感じだな」と思い出しました。
U字溝を川、道のアスファルト部分を街、左手は山、右手は平地と見立ててみてください。
豪雨の際に、山や街の雨水は川(U字溝)に勢いよく流れ込んで来ます。平地は保水力がないので土と一緒に川に流れ込んできます。
右側の雨水が、真ん中の川を通って、左の川に合流します。
合流部分には2本分の雨水が流れ込んでくるのに、その先の幅は1本分しかありません。
水量がキャパオーバーしたらどうなるのでしょうか?
合流部分あたりでオーバーフローしてしまいますね。
山や平地の土も川に流れ込むと、川の水位を押し上げたり、堰き止めたりしてさらにオーバーフローしやすくなります。近年は、1時間あたりの雨量が異常に高くなっています。今までのような設計では耐えきれなくなってきるそうです。
自分たちが住んでいる場所の水の流れを把握するのも、これからの防災対策には必要なことだと思います。どうすればいいのかの答えは、その場所その場所で違うので、まずは知ることから始めるのは大事ですね。
登山道から山頂に向かうときに目にする、枝や木が引っかかっている場所。これは雨水と一緒に流れてきたものが引っかかって、天然の砂防ダムみたいになっています。これがあるから上から流れてきた土は止まるし、雨水の勢いも緩やかになります。
逆にないところは、雨水がそこに集まり、勢いがよく流れている雨水の通り道になっている場所です。そんな場所は常に土が動くので植生も育ちにくく、崩れも進んでいます。
山結びでは、山の所々でボサ置きという手法で天然の砂防ダムのような構造を作り、土の流出を防ぎ、雨水の勢いを緩める工夫をしています。
山頂部に到着して、まずは土のチェック。雨が降っていたので山肌は濡れていますが、少しほってみるとカラカラの土が出てきます。
ほんの5mm程度をどけだけでカラカラの土が出てきて、掘れば掘るほど乾燥度が増している感じです。そうかと思えば、木の幹あたりの木から水が流れ落ちてくる下あたりの土は、数センチ掘っても湿めっています。
ランダムにいろんな掘ってみると、乾燥しているところ、湿っているところがあります。土地の傾斜や木々の場所を観察してみると、目に見えないところでの水の流れができているのがよく分かります。以前、いろいろと山頂が保水できるようにと工夫はしましたが、それだけでは足りなかったんだなと感じさせられました。
そこで今回は、新たな試みとして「雨庭」と「バイオネスト」を作ってみました。
「雨庭」は、地上に降った雨水を下水道に直接流入させることなく一時的に貯留し、ゆっくりと地中に浸透させる構造のこと。
「バイオネスト」は、剪定した木の枝を鳥の巣のように円く組み上げ、その中に落ち葉や刈り草を入れて堆肥を作る仕組みです。
雨庭とバイオネストを合わせた構造を作っていきます。まずは土を掘り起こして、水の通り道と水が溜まる場所を作ります。木の根を痛めないように慎重に掘ります
巨木の樹幹流がが無駄なく土に流れ込むように高低差も考えて作業します。その雨水が、雨庭に入るようにし、石や枝を敷き詰め、土詰まりをしないよう工夫をします。その上のバイオネストを設置。
雨が枝葉を伝って巨木の太い幹に集まり、土に流れて落ちてくる雨水をバイオネストの下に集めます。集まった水は雨庭効果でゆっくり土地に浸透し、バイオネストの中には枝葉を入れてあるので、水分と有機物で堆肥化が進み微生物などが集まり栄養が蓄えられます。
別の場所では、穴を掘ったときに出てきた乾燥した土を炭や有機物と一緒にバイオネストに入れて堆肥化を試みてみます。
数ヶ月後が楽しみです。
「山結びってどんなことをするんですか?」とよく聞かれます。いろいろとご説明はできるのですが、経験しないとことばかりです。写真を見ても山での体感は伝わらないし、説明でやり方は理解できるけど自然は思うようにはなってくれません。
だから「まずはご参加ください」とお伝えしています。
さて、次回の第40回山結びは10月17日(土)の開催です。
秋になり作業もしやすい季節なので、お子さん連れでのご参加もお待ちしています。
詳しくは山結びウェブサイトをご覧ください。
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