第21回山結びレポート(2025年1月18日)
新年最初の山結びを1月18日に開催しました。天候にも恵まれ、少し汗ばむ陽気でした。今回は去年に引き続き登山道の整備です。
宮地山の山頂に向かう登山道は何ヶ所かあり、その中でも私たちがショートカットコースと呼んでいる山道があるんですが、イノシシに掘り返されたり雨で土が流れたりして、歩くには少し危ない状態になっていました。
写真では分かりにくいですが、山側が崩れて道が狭くなり、谷側はイノシシに掘り返されさらに道幅が狭くなっています。そのうえ道に傾斜がついているので気をつけて歩かないといけません。
山道はこんなものと言われればそうかもしれませんが、せっかくなら歩きやすいように整備して登山者が安心して登れるようにしたいですよね。
道幅を確保して、平らにするために鍬などで均していきます。均すだけでなく、炭や落ち葉なども敷いて土壌の改善も同時に行なっています。
斜面の土が流れないように肩を作ることで、雨水の流れが緩くなり土中に染み込みやすくなります。こうするだけでも、山肌が崩れなくなり雨水と一緒に土が流れ落ちないようになります。朽ちて倒れている古木を丸太にして肩に使ったり、地面と丸太の隙間から土が流れ出ないように枯葉や枝を編んで詰めたりします。山結びでは山にある素材を使って作業するのが基本です。
なので、この時期に大量に取れる枯葉はかなり大事で、それをストックしておいて1年をとおして活用しています。この時期は、山に登る前は枯葉集めからスタートです。
いつのまにか山結びクッキング部みたいなのができていて、常連メンバーが山頂でお昼を作って楽しんでいます。自然の中で食べるご飯ってなぜか美味しいんですよね。今日はクラムチャウダー?みたいなのを作っていましたよ。
山頂付近の道も整備していきます。道と斜面があいまいな場所は整えて踏み外さないようにしておきます。ここも肩を作ることで雨が降っても道が崩れにくいような工夫をします。
おのおの、自分が気になる場所を見つけては集中して作業しています。初心者の方は、常連メンバーと一緒に作業しながら色々と教えてもらえるので、作業の仕方や作業してる理由を学んで、最後の方には一人で黙々と作業に没頭してしまいます。自然と向き合うと、1つやれば3つは課題が出てくるのでなかなか作業が進みません。でも、それがゲームみたいな感覚で楽しくくてついつい没頭しちゃうんです。
道の整備と一緒に、木の根に雨水が入りやすいように石を刺したり、穴の中に炭を入れて保水力を上げるような作業もしていきます。宮地山に限らず日本の多くの山はカラカラに土が乾燥して保水力がなくなってるから、雨が降っても雨水が地面に染み込まず山肌を土と一緒に流れてしまします。ゲリラ豪雨などで大量の雨が降ると、その水流の強さのまま山肌を崩しながら土と一緒にふもとまで流れていきます。これが近年の豪雨災害の1つの原因なっています。
山結びでは「自然環境を自治する」を合言葉に、自分たちでできることは自分たちでして、住んでいる地域の自然環境管理ができるようになることを目指しています。林業が盛んだった時代なら、先代から山を自治することが続けられてきましたが、現代ではそうもいきません。山結びを通じて自然環境の自治を思い出し、住んでいる地域を安全で豊かな環境にしていければいいなと考えています。
さて、次回の第22回山結びは2月22日(土)開催です。2のゾロ目回なので、意味もなくワクワクしますね。参加すればきっといいことありますよ。
お一人さま、親子連れ、学生さんなどどなたでもウェルカムです。
ご参加お待ちしております。
詳しくは山結びウェブサイトをご覧ください。
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