第30回山結びレポート(2025年11月15日)
第30回山結びを11月15日(土)に開催しました。11月中旬ですが、気持ち良い秋空で作業のしやすい1日になりました。関東、関西からのご参加もあり、その中のお一人は1歳のお子さんを背負ってのご参加でした。
今回は、前回まで整備していた竹エリア近くの斜面と登山道の補修を行いました。斜面は今年8月の豪雨で登山道を横切るように崩れており、そこに雨水の流れ道ができています。また豪雨になると崖崩れの危険性もあり、登山道が流されるので、丸太と石を使って砂防ダムのような仕組みを作りました。
もし豪雨になった場合に、通り道に何もないと勢いよく土砂が麓へ流れていき、登山道も崩れてしまします。この仕組みを作ることで、雨水が石にあたり勢いが弱まり流れが緩やかになります。土砂もここである程度止まるので、土砂崩れを防ぐこともできます。
先ほどの仕組みの簡易版が「肩」です。肩は、斜面を垂直水平に整え、杭を挿し丸太を固定して、水平にした斜面の上に枝そだ(枝を無造作に編み込んで、葉っぱ詰めこむ)を組んだものです。簡単に作れるので、斜面に数箇所作るだけでも土砂崩れを防ぐ効果があります。実際、8月の豪雨後に確認したら、肩のある場所とない場所では大きく違いがありました。
言葉や写真だけでは、イメージしにくいと思うのでダイジェスト動画を見たり、山結びに参加して確かめてください。
山結びでは、材料は山にあるものを使います。山にある石を集め、前回までの整備で溜めておいた丸太や枝を使います。枯葉や崩れて溜まっている土なども余すことなく使います。自然物は不揃いなものしかないので、石を組んでいくときもどれをどこに挿したらいいかを試行錯誤して作業を行います。1つの場所でうまくできても、場所が違えば環境がぜんぜん違うのでとても考えます。でも、それが楽しいんです。
山結びの活動は「自然環境を自治する」ことを広める活動でもあります。この宮地山を完璧に整備するには10年単位での作業になります。大勢の人が関わっても100年以上かかるかもしれません。でも、何かあった時の整備の仕方や、部分的な環境改善の手法は身につきます。そのスキルや考え方を持った人が増えることで「自然環境の自治」は全国に広がっていくと思います。
今回参加してくれた1歳の子は、楽しそうに土や枯葉を触りながら大人たちのしていることをじっと見ていました。何をやってるかは理解できませんし、大きくなれば覚えていないかもしれませんが、こんな風に自然と触れ合うことを知りました。小さな頃の原体験は心に大きな影響を与えます。子供たちが安全に自然と触れ合える機会をこれからも増やせていければと思いました。
さて、次回の山結びは12月20日(土)です。
この日は、毎年恒例になりつつある「宮地嶽神社 大しめ祭」で大しめ縄編みをする予定です。1.5トンの大縄2本を人力で締め上げていくのは圧巻ですよ。
午後から時間があれば山での作業も予定しています。
みなさまのご参加お待ちしております!
次回山結びの詳細は山結び公式ウェブサイトへ↓
昨年の「宮地嶽神社 大しめ祭」の様子はこちら↓
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