第27回山結びレポート(2025年7月19日)

7月19日に開催した第27回山結び。夏の暑さにも負けず20名の参加で、今回も竹林の整備をしました。登山道まではムワッという暑さなんですが、山に入ると日影があり、風が通る場所では意外と過ごしやすいんですよ。今回は半数が初参加の方で、学生の息子さんと一緒のご家族や県外から女子高生コンビも参加してくれました。午前中だけ参加の方も多数いらっしゃり、お時間のない中ご参加くださりありがとうございました。

まずは山頂エリアに登りがてら、各所で山の状態や風・水に関することのレクチャーをします。山の中で風がないということは、風の通り道がないくらい木々が生えているので光も入りません。そうなると大きな木は育ちますが、足元の若木は日が当たらず育ちが悪くなります。雨も葉で弾かれたり、大きな木を伝って地面に流れていくので全体には届きにくくなります。

風が通るように調整することで、光も雨も降り注ぎその周辺の環境も改善されます。なにより気持ちが良い空間になりますね。風の道ができればそれに乗って蝶も舞いさらに素敵な風景になります。

山頂では、生態学者でSOMA代表の瀬戸昌宣が過去の山結びでどんなことをしたのかや、雨が降れば水がどう流れていくのかを詳しく説明します。林業全盛期に植えられた杉や檜が放置され、それが大雨で土砂災害のキッカケになっているということを聞いて参加者のみさなんも驚いていました。

中腹の竹林エリアにもどり作業開始です。前回に引き続き、竹を切りながら肩を作っていきます。造園家の轟まことさんが有機土木の技術で山をどう整備するのがいいかを説明。切った竹を1〜1.5mくらいの長さにして等高線沿いに積んでおくことで、山肌をいき良いよく流れてきた雨水を緩め地面に浸透しやすくしたり、一緒に流れてきた土砂を止める効果があります。

子供たちもノコギリを使ってお手伝い。楽しそうに遊びながら自然経験をつんでいました。常連メンバーは黙々と作業をしながら、どんどん斜面を降りて竹を切っていきます。山結びでは女性の参加も多く、女性チームの活躍が素晴らしいです。男性は個別に好きなところで黙々作業し、女性はチームで固まっておしゃべりしながら楽しそうに作業をしています。男性と女性で作業の仕方が違うので、全体の作業バランスが取れていい感じです。

切った竹の節に雨水が溜まってボウフラが湧かないように、グリグリで節を抜いておきます。ついでに竹がこれ以上増えないような工夫もしておきます。工夫の仕方は色々とあるので、山結びに参加して聞いてみてください。

今回も竹林整備でしたが、2ヶ月連続したことでかなり風や光が通るようになり過ごしやすい場所になりました。毎回少しずつしか整備できないですし、短い期間で見ればそれをしたから大きく山の状態が変わるわけではありません。でも、SOMAは100年先を見据えて「自然環境を自治する」ことを皆さんに経験を通じて知ってもらい、それを自分の住んでいる地域で活用したり、子供たちに伝えたりして欲しいと考えています。


さて、8月は猛暑が予想されるので参加者の体調を考えてお休みになります。

次回は9月20日(土)です。

秋に近づき暑さも和らいでくると思うので、気候がよくなったら参加しようと二の足を踏んでいる方はぜひお越しください。

皆さんのご参加お待ちしております。


詳しくは山結びウェブサイトをご覧ください。

https://yamamusubi.nposoma.org

#ひとが育つ環境をととのえる

「わたしは生まれる時代も場所も選ぶことができません。 その生まれ落ちた環境で、ただ精いっぱい育つだけです。」 ひとりひとりの「わたし」が育つ環境をととのえる、それがSOMAの仕事です。