第14回山結びレポート(2024年6月15日)

6月15日(土)は第14回山結びの日でした。午前中はゆっくりと宮地山を登りながら、ところどころで立ち止まり造園家の轟まことさんから色々なお話を聞きました。

まずは、登山口手前の道で山肌を見てみます。当たり前のように見ている宮地山の山肌は、当たり前ではなく山が荒廃している姿というのを改めて教えてもらいました。

U字溝や斜面をコンクリで土留めすることで、土中の水の流れが悪くなり土が乾燥して山肌が崩れること、流れるはずの場所に水が流れず山が乾燥すること、雨水が崩れた土と一緒にU字溝に流れ込み川や海になどに流れてしまい海にも影響が出ることなど、参加者の皆さんも真剣に聞き、質問もたくさん出ていました。

他にも、登山途中に目にした防草シートの話では、ヨーロッパでは代わりにダンボールを使っていること、防草シートの下の土はとても冷たく生物が少ないこと、防草シートの上に芽吹いた植物はシートに邪魔されて根付かないことなど、防草シートの特性も教えてもらいました。


午後からは、木の根の保全作業をしました。根上がりしている根の周りに石を刺して土中に雨水が入るようにしたり、人に踏まれやすい根の周りを整えて踏まれにくくしたりしました。先月作業で出た土を入れた麻の土嚢袋の下は、いい感じの水分でミミズやダンゴムシがいっぱい。土嚢の上からは新芽も出ていて、麻の土嚢袋一つでこんなに自然が生まれるんだと感心しました。ちなみに麻袋は風化して自然に還るのでとても良いですよ。

作業自体は誰にでもできるのですが「コツを掴むには何度か作業してみないと分からない」と皆さんおっしゃいます。自然相手なので答えはその場では分からず、来月また見にきて大丈夫かどうかを確認するしかないんですよね。そこが山結びの楽しいところであり難しいところです。


来月の山結びは7月20日(土)です。

皆さんのご参加お待ちしております。

詳しくは山結びウェブサイトへ

https://yamamusubi.nposoma.org/



▲山の斜面に45度で石を刺すことで雨水が土に浸透し、そこに引っかかった枯葉が養分となり芽が出ます。

▲麻の土嚢袋の下。浸透圧で水分が集まり、土嚢袋の土にも水染み込んでいます。

▲麻の土嚢袋の上からは多くの新芽が。このまましっかり根付いて欲しいです。


▲手渡しリレーで、山頂から作業場所まで素材や道具を下ろしました。


▲登山道の根上りしている場所を整えます。


▲石や枝そだで補強して、炭・落ち葉・土で平らにして歩きやすいようにもしました。


写真で見るだけでは分からない、自然との触れ合いを一緒にしませんか?おひとり様、親子参加大歓迎です。お待ちしております!


次回:第15回山結び 7月20日(土)


詳しくは山結びウェブサイトへ

https://yamamusubi.nposoma.org/


#ひとが育つ環境をととのえる

「わたしは生まれる時代も場所も選ぶことができません。 その生まれ落ちた環境で、ただ精いっぱい育つだけです。」 ひとりひとりの「わたし」が育つ環境をととのえる、それがSOMAの仕事です。