山結びのご紹介|SDGsを実践しよう!

自然環境再生プロジェクト「山結び(やまむすび)」にようこそ。

2023年4月から福岡県福津市の宮地山を拠点にスタートした山結び。NPO法人SOMA代表であり農学博士の瀬戸 昌宣と造園家の轟まことが「自然環境の自治」を目指し、自然環境再生を参加者と一緒に行なっています。


毎月第3土曜日に開催し、大人から子どもまで延べ200名以上の方が参加しています。毎回1/3くらいは初参加の方で、最近では親子連れの方も増えてきました。「自然環境再生」と聞くと敷居が高く感じたり、素人が参加しても大丈夫かなと心配になりますよね。大丈夫、ぜんぜん問題ありません。誰でも気軽に参加できて、自然に触れ合い、学びを持って帰れます。山結びに興味はあるけど参加するのにちょっと勇気がいるなと思っているあなたに山結びの魅力をお教えしますね。


●目指すは宮地嶽神社

山結びの活動拠点は、福岡県福津市にある宮地山。宮地山は、光の道で有名な宮地嶽神社の裏手にある標高180mの低山で、子供でも登れる程度のゆるやかな山です。現在は宮地山を活動拠点にしていますが、今後は拠点を増やしていろんな場所で山結びを開催したいと思っています。

<アクセス>

  • 車:福岡市天神から国道3号線で50分、北九州市小倉から国道3号線で70分程度
  • 電車:JR博多駅からJR福間駅まで快速で約25分、そこからバスかタクシーで10分程度
  • 徒歩:JR福間駅かから約25分

●集合場所

集合場所は宮地嶽神社第1駐車場にある自動販売機の前。天気の良い日は宮地山がキレイに見えて素敵です。そこで、出欠と当日の説明をします。


●宮地嶽神社に参拝

駐車場から歩いて宮地嶽神社に向かいます。鳥居で一礼をして石段を登っていきます。登り切って振り返ると福間の海が見える「光の道」が現れます。毎年2月下旬と10月下旬に夕陽が参道を照らすように沈んでいき、まるで道が光っているような幻想的な風景を映し出すので「光の道」と呼ばれています。

▲晴天の日も素敵な光の道


●隠れ参拝スポット

石段を登ったところに建物があり、その裏に宮地嶽神社の古宮(本殿跡)があります。地元の方でも知らない隠れ参拝スポットです。まずはここに立ち寄り参拝をします。なぜ、こんな隠れた場所にあるのかはその時にご説明しますね。


●本殿の大しめ縄

古宮(本殿跡)で参拝した後に、現本殿に向かいます。本殿前にある手水舎は少し凝った作りなのでぜひご覧ください。本殿には1.5トンの大縄を2本ねじって作られた大しめ縄があり日本一大きなしめ縄と言われています。実は、2023年末の大しめ祭ではSOMAメンバーと山結び参加者さんも一緒になって氏子さんたちと大しめ縄を締め上げました。

▲花手水と呼ばれる手水舎


●いざ、宮地山へ!でもその前に

宮地嶽神社を抜け宮地山登山口に向かう途中には、木々に囲まれた道があり神聖な空気感があります。と、普通ならそれで終わるのですが道の両脇を見てみると、山肌から木の根が出ていたり、崩れている場所がいくつかあります。これは、ここだけに限らず全国の山で起こっている現象です。山に保水力がなくなり土が乾燥し崩れたり、雨が降ると土に雨水が染み込まず山肌を勢いよく流れ土をふもとまで押し流してしまいます。なぜ、そうなってしまったのか?その辺りも専門家が詳しく教えてくれます。

▲えぐれた山肌

▲普段は気にしない場所もよく見ると


●山にある素材で山を再生


極力外から素材や資材を持ち込むのではなく、その山にあるものを活用して環境再生していくのが山結びスタイル。登山途中に環境改善に使う落葉や石を拾い作業場所に持っていきます。若手の男性がいる時は、背負子に石をたくさん入れて頑張ってもらうこともあります(笑)。拾う時には、木や葉の種類、葉の下に隠れている菌糸の話なども聞けて勉強になりますよ。庭先や道の落ち葉は邪魔もの扱いされますが、山の落ち葉は貴重な環境再生に使える天然素材です。

▲枯葉の下は小さな多様性の世界があります


●標高180m、ゆっくり登って20分

宮地山は標高180mの低山で、ゆっくり登って20分程度で山頂に到着します。自然道もある程度整備されているので、小学生くらいなら一人で登ることもできる山です。登山初心者でも気軽に登ることができますよ。ただし、低山とはいえ山なのでサンダルやハーフパンツで登るのはおすすめできません。山結びでは作業をするので汚れてもいい長袖・長ズボンがいいですね。

▲山を観察しながら登ります

▲ここは足場が悪いのでご注意を

▲ここの石段も適宜補修しています


●山は意外と荒れている

登りながら風景を見ているといろんなことに気が付きます。風が気持ちいいね、緑がきれいだね、いい運動になるねなどポジティブな感情が出てくることでしょう。でも、少し視点を変えて見ると、大雨で土砂崩れした山肌、木の根の土が流されて傾いている大木、突然現れる竹藪など、見落としてしまう風景がそこにはたくさんあります。

▲土が流れて斜めに成長した木

▲土が固くなるから竹しか育たない

ところで、山から流れた雨水や土砂はどこに流れていくのでしょう。山から川へ、川から海へ、自然は繋がっています。近年の自然災害の多くは山を起点として起こっています。なぜ、山はこんなに荒れているのに誰も手入れしないのか、それとも手入れしているけど間に合わないのか、そもそも手入れの仕方が分からないのかなど思うことはたくさんあると思います。そんな思いも山結びで質問してみてください。


●みんなで作業開始

山頂での作業開始です。土に雨水を浸透させるためにハンドスコップで穴を掘り枯葉ダムを作ったり、土が雨で流れ落ちるのを防止する肩を作ったり、植樹するために土を耕し炭をまき環境を整えたりします。作業内容は日によって違うので来てのお楽しみです。

▲土が流れるのを防止する肩

自然環境再生には答えがないので、前にやった作業がちゃんと機能しているかのチェックもします。機能していなければ、今度はどうすればいいかを考えて改善を繰り返します。常連メンバーが初参加の方に教えたり、親子連れは子供の面倒を誰かが見てくれたりして和気あいあいとした雰囲気で楽しく作業ができますよ。

▲木の根に雨水を染み込ませる工夫

日本全国の自然環境再生をしようとしても専門家だけでは手が足りません。専門家でなくとも山結びをキッカケに、学んだ技術を自分の庭、山、地域などで試してみる人が増え、地域の自然を考えることのできる「自然環境を自治する人」が増えることが大事だと考えています。

▲山頂参拝場所の整備もしました


天気が良ければお昼ご飯も山頂や作業場所で食べます。1時間程度のお昼休みを取っているんですが、お昼食べ終わると作業がしたくてソワソワし始めて「あれしましょうか」と参加者同士で声をかけあって作業を始める方がほとんど。それくらい楽しいということですね。

▲自然の中で食べるお弁当は格別ですね


●子供たちの裏山

あなたの子供の頃に近所に遊びに行く裏山みたいなところはありませんでしたか?自然教育の大事さやSDGsに関することを学校で習いますが、それを実践できる場所は多くありません。山結びは子供たちが山に入るキッカケも増やしていきたいと考えています。山に入り自然を観察し、草木や土や石を触り多くのことを感じ学んでいく。少しの怪我もすることもあるだろうけど、思いもよらない発見に感動することもあるでしょう。かけがえのない経験になることは確かです。


▲初めて見る伐採に興味しんしん



●おわりに

自然環境再生と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、山結びは子供から大人まで気軽に参加できるプロジェクトです。午前中だけ参加して午後は帰るでもいいですし、お子さんを連れてくのが心配な方はスタッフや参加者がフォローしますので安心してください。過去の作業はアーカイブ動画で公開してますので、そちらもご覧いただけるときっと「行ってみたい!」となりますよ。


あなたのご参加を心よりお待ちしております。


↓山結びの次回開催情報はこちら↓

https://yamamusubi.nposoma.org/

#ひとが育つ環境をととのえる

「わたしは生まれる時代も場所も選ぶことができません。 その生まれ落ちた環境で、ただ精いっぱい育つだけです。」 ひとりひとりの「わたし」が育つ環境をととのえる、それがSOMAの仕事です。